これまでの例では、常に記録されたデータを処理し、必要に応じてすぐに再出力することを目的としていましたが、今回の例では、記録されたデータを処理して、必要に応じてすぐに再出力することを目的としています。しかし場合によっては、情報を永久に保存することが必要な場合もあります。例えば、ユーザー設定が関与している場合や、センサの読み取り値をより長い期間にわたって記録する必要がある場合などです。また記録されたデータは、Arduinoの速度やメモリ容量に制限があるため、より処理能力の高いデバイス(例えばPC)で評価してもらう必要があるかもしれません。 不揮発性メモリ コンピュータ技術の黎明期には、データの永久保存が課題となっていました。バイナリデータの中間記憶用の回路はすでに開発されていましたが、一定の電圧供給に依存し、電源に接続し続けないとデータが失われ … [もっと読む...] about Arduino初心者編:Arduino内部EEPROMにデータを保存する
アーカイブ2020
ArduinoでSTEM教育 応用編:ProcessingとArduinoの連携
ユーザーにグラフィカルユーザインターフェースを提供したり、広範な計算を実行したりするために、PCを含めることが有用な場合もあります。Arduinoではシリアルインターフェースが標準化されているため、コンピュータのシリアルポートにアクセスできるソフトウェアであれば、原則として通信が可能です。 ここでは、Arduinoプラットフォームとほぼ同時期に開発されたProcessingプラットフォームに注目したいと思います。 このプラットフォームは、主にアーティスト、デザイナー、プログラミング初心者を対象に開発し、比較的少ない労力でグラフィカルなユーザインターフェースの作成を可能にしています。ユーザーにとっての利点は、Arduino IDEがかつてProcessing … [もっと読む...] about ArduinoでSTEM教育 応用編:ProcessingとArduinoの連携
Raspberry Pi はじめてのラズパイ:ラズパイ派生品・アクセサリと競合製品
ラズパイは前回紹介したモデルだけではなく、特定用途に特化したシリーズやカメラ・ケース・電源ケーブルなどのアクセサリが公式製品として販売されています。また、競合製品としてオレンジパイやバナナパイといった製品もあります。今回は、これらの製品について紹介します。 コンピュートモジュール スタンダードなRaspberry PiシリーズやコンパクトなRaspberry Pi Zeroシリーズのほかにも、産業用や研究用のアプリケーションに適した特別なシリーズがあります。 いわゆる「コンピュートモジュール」と呼ばれるタイプのものは、パソコンなどの「メモリ」と似た小型の基板で、最低限の動作に必要な部品だけが実装されています。 こうした「亜種」も、2014年以降様々なものが登場しました。 コンピュートモジュール1 / … [もっと読む...] about Raspberry Pi はじめてのラズパイ:ラズパイ派生品・アクセサリと競合製品
Raspberry Pi はじめてのラズパイ:歴史と各種モデル
ラズパイがどのようなきっかけで誕生したのか、なぜここまで普及するようになったのか、これまでに発売された多種類のラズパイモデルの違いは何か、ということについて説明します。初めてラズパイを触る際のモデル選びの参考にもなると思います。 誕生のきっかけ 2000年代に入って数年が経ったころ、イギリスにあるケンブリッジ大学のコンピュータサイエンスコースへの入学者数は、それまでの1/3にまで減少していました。 この状況を打開して入学者数を増やすため、また子供たちにコンピュータに興味を持ってもらうために、エバン・アプトン氏が率いるグループが安価なシングルボードコンピュータの開発に着手しました。 エバン・アプトン氏のグループは、のちにRaspberry Pi財団の共同創立者としてRaspberry … [もっと読む...] about Raspberry Pi はじめてのラズパイ:歴史と各種モデル
Arduino初心者編:SPI通信によるArduino間のデータ送受信
今回は2つのArduino間でSPIによるデータ送受信プログラムを紹介します。前回紹介したI2Cと同様に、クロック信号を持ち、シリアル通信と比べてノイズに強い通信方式です。ArduinoでSPI通信をするためのポートやライブラリの使用方法などについて説明します。 SPI通信の概要 マイコンレベルのデータ通信インタフェースとして、SPI(Serial Peripherial Interface)は1987年に開発されました。I2Cと同様に、コンポーネントはマスターかスレーブの役割を持ちます。マスターはクロック信号(シリアルクロック-SCL)を生成します。このクロックのタイミングに合わせてデータ通信を行います。ただし、I2Cバスとは異なり、データの送受信それぞれを専用の通信線で行います。マスターからスレーブの方向の通信線MOSI(Master … [もっと読む...] about Arduino初心者編:SPI通信によるArduino間のデータ送受信