手軽にできる実験が子供の好奇心を強く刺激して、科学に興味を持つきっかけになれば嬉しいですよね。
今回は、家にあるもので簡単にできる、水に浮くものと沈むもの違いを理解する実験を紹介します。
■オレンジが水に浮くか沈むかを確かめる実験
【用意するもの】
- 背の高いガラスの花瓶(水槽や大きめのボウルでも代用可能) …1個
- オレンジ …1個
- 水(花瓶に入る4分の3ほどの量)
【実験のやり方】
実験の過程で、子供が自分でできることはどんどんさせてあげてくださいね。
まず、花瓶の中に水を入れます。そして、子供に「オレンジは水に浮く?それとも沈む?」と質問してください。ちなみに、筆者の8歳の息子は自信を持って「沈む!」と答えました。
子供の答えを聞いたら、オレンジを水の入った花瓶に入れてみましょう。実は、オレンジは水に浮かびます。息子は、予想が外れて驚いた顔をしていました。手でオレンジを花瓶の底へ押しても、手を放せば浮いてしまいます。
次に、オレンジの皮をむきます。今度は、子供に、皮をむいたオレンジが水に浮かぶか沈むか予想を立ててもらいましょう。水に浮いたオレンジを見た後でも、息子の予想は「沈む」でした。「どうして?」と聞いてみると、「皮には空気があったから浮いたけど、皮を向いたら空気がなくなるから沈むと思う」というもっともらしい答えが返ってきました。もう少し幼い子供の場合は、皮をむいて軽くなったオレンジは、やっぱり浮くと考えるかもしれませんね。
皮をむいたオレンジを花瓶に入れると、すーっと沈みました。予想が当たった息子は誇らしげでした。
■どうして水中で浮くものと沈むものがあるの?
浮力とアルキメデスの原理
水中に物体を入れると、下へ引く力と下から押し上げる力が働きます。下へ引く力が重力、下から押し上げる力が浮力です。「水の中に入れた物体が、押しのけた水の重さと浮力は同じ」というアルキメデスの原理で説明することができます。
例えば、お湯を満杯にした湯船に入ると、お湯が溢れてしまいますよね?この溢れたお湯は、その人の体積と同じであり、お湯から受ける浮力の大きさなのです。
水中に物体を入れると、浮力の分だけ軽くなります。それで、浮力が大きいほど、物体は水の中では軽くなるのです。
水と物の密度の関係
物体が浮くか沈むかは重さではなく、物体の密度(1㎥あたりの質量)で決まります。水の密度より密度が大きい物体は沈み、小さい物体は浮くのです。それで、船のように思いものが浮かんで、船より軽い人間は沈むという現象が起こります。
ここで、オレンジの実験に戻ります。皮をむく前のオレンジが水に浮くのは、その皮に秘密があります。オレンジの皮には、空気の入った小さなポケットのようなものがたくさんあります。これが、オレンジの密度を水の密度よりも小さくしているのです。けれども、皮をむくとポケットがなくなり、オレンジの密度は水より大きくなるので沈んでしまうのです。浮き輪をしている人が水に浮かんで、浮き輪がないと沈んでしまうのと同じですね。
■いろいろな物で実験してみましょう!
オレンジだけではなく、他の果物や野菜も子供に浮くか沈むかの予想を立てさせて実験してみましょう。また、お風呂やプールなどでも浮力を意識した声掛けをしてみてくださいね。日常生活で少し意識をさせておくだけでも、学校で浮力やアルキメデスの原理を学習するときに、スムーズに理解することができるようになるはずです。
(参考)http://www.playdoughtoplato.com/orange-buoyancy-science-experiment/
コメントを残す