Raspberry Piなどのシングルボードコンピュータと汎用の入出力を組み合わせて使用します。例えば、LEDやモーターを制御したり、センタの値を読み取るなどする際によく利用されるプログラミング言語に、Pythonという言語があります。
Pythonという言語や、汎用入出力を利用するためのライブラリはシンプルで扱いやすいものなのですが、これらのボードはLinuxというOS(オペレーションシステム)をインストールし、そのOS上でPythonを動作させています。LinuxというOSに慣れていなければLinuxの使い方から学習する必要があり、ボード本体以外にもキーボード、マウス、モニターなども用意する必要がありました。
シンプルで使いやすいPython言語と、低コストで使いやすいマイクロコントローラを組み合わせれば、新たなOSの使い方や、難しいプログラミング言語を学ばずとも、より多くの人がマイコンを使った工作やアート製作、ものづくりを楽しむことができます。こうして作られたのが、MicroPythonというプログラミング言語です。
Python言語はインタプリタ方式と呼ばれ、コンパイラ方式と呼ばれる言語よりもプログラムの実行速度が遅くなってしまいますが、MicroPythonは動作メモリの少ないマイクロコントローラ上でも動作させられるように設計されています。書き込むプログラムのサイズは約256kB、16kBのRAMがあれば動作させられます。
インタプリタ方式とは、プログラム中の命令を、一つずつマシン語(コンピュータが理解できるデータ)に変換しながら動作する方式。例えるなら、英語の文章を1単語ずつ和訳しながら読んでいく感じです。
コンパイラ方式とは、プログラム全体をマシン語に変換(コンパイル)してから、コンピュータに書き込む方式。こちらは一気に全部和訳してから読んでいきます。早そうですね。
ファイルの書き込み・読み込み、モジュールの読み込み、GPIOピンをはじめとするハードウェアとのやり取り、エラー処理などPython3のコア機能を一通り備え、Python3と高い互換性を有しています。
XBeeモジュールのシリーズ3にはこのMicroPythonが搭載されています。つまり、シリーズ3のXBeeモジュールは別にマイクロコントローラを用意しなくても、簡単なプログラムを書き込んで動作させられるということです。
XCTUアプリケーションにはMicroPythonのコンソール画面も含まれているので、このコンソールからシリーズ3のモジュールに接続できます。
MicroPythonを使用するためには、ボーレートの変更、API+MicroPythonモードの有効化といったモジュールの設定変更が必要です。図1にXCTUでの設定例を示します。
設定をモジュールに書き込んだら、ツールアイコンをクリックしてMicroPython Terminalを選択すると、MicroPythonのコンソールが開きます。
MicroPythonを使用したチュートリアルについては、次回以降で解説します。
コメントを残す